この女装コミックがすごかったね!2013年版【単発作品編】
いやっはー! 間に合わなかったー!
すみません。年末に遊び歩いておりまして、じっくり腰をすえないと書けない当記事がおざなりに……。
年をまたいでも最後までやりますので、気長にお待ちくださいね。
さて、単発作品です。そうは言ってますが、今年スタートした作品も含まれますし、ちょっと曖昧な感じかも。
実は、今年、単発作品の数で言えば、歴史上初めてぐらいの数が出ています。
「わぁい!」と「おと☆娘」からの単行本が続いたんですね。これはわけてエントリたちあげたいと思います。
ですので、それ以外、というカテゴリで行きたいと思いますが、めんどーなので、一迅社とミリオン出版のものはレーベルが違っても別エントリのほうで取り上げますね。
◆うかみ 「青春おうか部」 アスキー・メディアワークス
いわゆる日常系四コマ作品です。海外からの留学生が可愛い男の娘。登場人物の中で一番の常識人というのがまた。
こういう作品は何も考えずに楽しむのがよいと思います。可愛いは正義。
◆ネムネム 「路地裏スーベニール」 アスキー・メディアワークス
男の娘イラストで知られるネムネムさんの一般向け男の娘コミックです。絵の可愛さは文句無しです。が、世間の男の娘や女装に対する「風当たり」を描いているので、当事者的に読んでいてツラいです。
さて、最終的にカタルシスは得られるでしょうか。
◆ひらく椥 「男子高校生とロックのきわどいつきあい方。」 アスキー・メディアワークス
2巻買えていませんすみません。なので、1巻までの話です。
女装をしているベーシストというとどうしても「演奏してみた」のあの方とか、あの方を思い出すのですが、おそらくモチーフとしてはそこから来ていると思います。実際動画サイトに公開して人気という設定ですし。
さらにはPも登場して、2010年代の青春バンドものとして、よく実態をあらわしていると思います。
◆車谷晴子 「なのに、ボクはイヤといえない」1巻 小学館
以前より性別越境モノを描いてこられました著者が新たに創出した世界は、かなり踏み込んだものになっております。
一般誌で直接的な性器などを描かなくても、ここまで精神的な調教などを描けるんだなあ。
私は個人的には自分の意思で女装する子が好きですし、自らもそうなんですが、こういう強制的に女装させられるという世界を愛してやまない方々がおられることも承知しています。そうした方々にしてみれば満を持して登場した作品とも思えるんですが、どうなんでしょう。
◆乃木坂太郎 「幽麗塔」4巻 小学館
こちらもすみません、4巻以降読めておりません。
江戸川乱歩的というか往年の怪奇モノの雰囲気が濃厚な作品世界。女装と男装をしての逃避行です。特別可愛いわけではないのですが、だんだん馴染んでいくにつれてセリフや表情が変化していったりする描写がよい感じ。
◆志連ユキ枝 「だって好きなんだもん!」 秋田書店
男の娘って便利に使えるというか、トリックスター的意味合いを持つことはままあることです。
対男性でも対女性でも状況に応じられる、という点で扱い易いというのはわかるのですが……。
かといってこんな風に、男性にも女性にもふらふらと好きをまき散らしていくと、どこに感情移入していいのかわかんなくなります。誰かの気持ちになって読むのが難しいよ。2巻出ているようですが、まだ読んでいないので、どういうエンディングを迎えたのかはこれから知るのですが。
◆多丹モト 「父で娘」1巻 双葉社
なんだこれは、と思って読み始めたのですが、最後までなんだこれは、のままでした。
母親の再婚相手がめちゃめちゃ若くて可愛い女の子……みたいな男だった、という話なんですが、母のおっぱいの大きさといい、なんともはや。
でもね、このくらい振り切っちゃったほうがすっきりします。ばかばかしくて笑っちゃうぐらいで結構楽しいよ。
◆ぴい 「俺のカノジョが男なわけがないっ!」 ふゅーじょんぷろだくと
「女装攻め」というキーワードがすべてかもしれません。BLとしてのバリエーションからお話を作ってるのかなーと思いました。性別違和とか同性愛とかそういうことで悩んだことがある人が読むべきじゃないかもしれない。そういう視点で見ちゃうと腑に落ちないことだらけだもん。あくまでファンタジーね。
◆甘詰留太 「BOY MEETS GIRL GIRL MEETS BOY―甘詰留太チェンジH短編集」 少年画報社
基本的には「後天性性転換症」などのTSF作品です。性別のゆるやかな移行が見事に描かれているので、そちらがお好きな方にはたいそう喜んでいただけるのではないでしょうか。
女装としては「ナカの娘なんていないもん」でしょうか。いわゆる着ぐるみ、ドーラーのお話。
私、10年以上前に深くその世界とコミットしていました。今でももちろん嫌いじゃないですよ。ただ、自分たちの狭い世界という認識もどこかにあって、こうして広く読まれる作品に描かれるのは気恥ずかしさもあるし、ちょっとそこは違うなあと思うところもあるし。なんか冷静に読めないね。
◆平喜多ゆや 「ふつうにかわいい?」 徳間書店
以前のエントリでも書きましたが、女装からの卒業が描かれます。BLだからさ、最終的にカップルが幸せであればよいのです。けれど、女装に主眼をおいて見ている私からすると、ちょっとね、がっくり来るのです。
女装シーンの絵の描かれ方はキレイで可愛くてよい感じですよ。
◆東屋めめ 「偽装男子」 双葉社
彼氏になれないなら彼女になればいいじゃない、という設定の四コマ作品。
ジェンダー的に真面目に論じたりしたらダメ出しにしかならなくなる。あくまでシチュエーションコメディだと思って読むのが正解です。絵、可愛いし。
◆椋蔵 「アクトレスアクト」1巻 芳文社
あくまで男性向け、ですし、対象年齢もちょっと高い感じなのかなあ。いかに可愛い女の子にお近づきになれるか、という主眼での女装です。
◆風雅ゆゆ 「強制女装男子~レンタル男の娘~」 大都社
なんだかすごい作品が来たぞ。罰ゲームの女装プリクラをきっかけに巻き込まれていく闇世界と、出会う紳士。
ある意味シンデレラストーリーなんでしょう。
これもBLとして最終的に女装が解かれます。あんなに可愛いのになあ……。
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や、わかってるんです。ジェンダー論とか真面目な方向からこうした作品群を捉えようとすると、気になるところばかりが目立つのです。もう少し柔らかく、いち女装する人的視点から見ようとしても、それでもひどい扱いだなあと思うシーンが多かったりします。
だんだん物語として楽しめなくなり、一枚絵の女装シーンだけを愛でるようになることも。
多様性があるという意味ではよいことなんだと思います。たまたま私が当事者だから気になるポイントが多いというだけで。
さて、年内の更新はここまでです。最後までご紹介できずですみません。あとは専門誌系と成年ものだから、おいしいところを最後に残した感がありますね。私としてもじっくり腰を据えて紹介をしたい作品が多くあります。
ですので、ちょっと気長にお待ちいただけると助かります。
それでは、良いお年をお迎えくださいませ!
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