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まいなす

■12月7日(水)
日中、ボランティアの方々との会合を終了後、タイヤの入れ替えをし、郡山に向けて出発。
ホテルで、N社長と面会。気さくな関西弁の方。明日からの仕事は、寒さと雪とボリュームとの戦いかな、とぼんやり思う。ホテルは立体駐車場。
■12月8日(木)
N社長を乗せて現場へ。かなり山深い。N社長の指示で次々に流れができていく。さすがの手際だが、私がそれを把握しないといけないのに、やや理解が遅れ気味。N社長を市役所まで送り、ホテルへ。
■12月9日(金)
早めに到着し、作業を進める。かなり順調。このペースで行ければ次週水曜には終われるか。週末は仕事が無いので、作業終了後、仙台まで下道で行く。ホテルはやはり立体駐車場。荷物の上げ下ろしがゆっくりできないので好きではない。
■12月10日(土)
一日利用の上限が定められているコインパークに車を置き、フリー切符を購入。電車でスタンプや切符を集めに行く。途中雪が降り出す。コンビニで傘を購入。……車の中にあるのに。
■12月11日(日)
昨日電車で通ったルートをなぞりつつ、車でやはりスタンプ収集。石巻市内は、全体が萬画で彩られており、想像以上に面白かった。街中でのスタンプラリーの様子をコネタにできないかと考える。途中、携帯電話でサーバに届いているメールをチェック。会社用のアカウントに、訃報というサブジェクトのメールがある。しかし、.docファイルの添付のみなので、確認できず。
ホテルに戻り、ネットワークに接続。ダウンロードし、ファイルを開く。どなたかお母様かお父様でも亡くなられたのか、という私の予測は大きく裏切られる。
Nさん。
大きな身体で、ラーメンの丼を片手で持って食べるような方だ。享年の文字で、私と同い年だったことを知る。9月に私が横浜で仕事をしたときのリーダーだ。
先日会社に行ったとき、彼が不在だったので椅子を借りた。そのまま打ち合わせに夢中になってしまい、彼が戻ってきたことに気づかなかった。そして「Hさーん、椅子ちょーっといいですかー?」と言われて初めて気づき、すみませーん、と言って、彼に返した。
まさかそんな他愛も無い会話が最後になるなんて、想像できるはずが無いだろう。
■12月12日(月)
メールやら電話やらで会社と連絡。あまり仕事に身が入らない。まだ会社に顔を出せば、彼がいるような気がしてならない。
■12月13日(火)
在庫のチェックが終了し、差分の登録作業に入ったが、思っていた以上に手間取る。古いものが多くて、登録作業に時間がかかるのだ。時間の配分がわからなくなってくる。
■12月14日(水)
結局金曜まで作業はかかると読み、その旨を各所に伝える。私もかなり注力して、データ登録を行う。
ホテルに戻ると、旧友からメールが来ていた。彼女は、時々他愛もないメールをよこす高校時代の同級生。30歳になったら結婚しようか、なんてよくある約束をしたのに、とっとと先にいきやがった。かわいい子どももいる。そのメールには、「弟が亡くなった」と書いてあった。
確か2歳違いだから、まだ30そこそこ。理由は聞き返せなかった。彼はWebサイトもやっており、一部では有名だったようだ。サイトへの来訪者へ連絡がとれるかな? という相談に、乗れるから帰ったらまた連絡して、と伝える。
■12月15日(木)
担当者が遅れてくる。普段からぽやっとした感じの若い女性なのだが、今日はいつにも増してぼーっとしている。「車で事故っちゃったんです。」
少し肩や首が痛いという。いいから早く病院に行って下さい、こちらはなんとでもします、と言うのが精一杯。
何が起きてるんだよ、私の周りで。
■12月16日(金)
予約ミスで一日足りなかったホテルの代わりに、別のホテルから出発。朝食が無いので近くのコンビニでパンを買う。車の中で食べつつ、リモートメールチェック。私の受講生さんから「びっくりしました」というサブジェクトのメール。
11月に行った講座の担当者が亡くなったんだそうですよ、という内容。
目が、そこに書かれている文字をちゃんと読まない。
脳が、そこに書かれている文字をちゃんと理解しない。
おかしいだろう、どうなってんだよ、と私は車の中で叫んだ。
なんだそれ、とも言った。ぜんぜん理解できないのだ。
今週係りっきりになっている現場は携帯の電波が届きにくい。当然自宅に来ているファックスなども読めない。もしかしたら私に連絡をくれてるのかもしれない。
そんなこともあいまって、私は取り残されているような気分になる。
それでも仕事は終わらせねばならない。車を現場に向ける。やがて峠が見えてくる。気温は「-3」だ。

-3か。

……そういうことはすぐに結びつく。嫌な脳みそだ。
予定より2時間ほど早く作業を終了。挨拶をして現場を出た。待っていたかのように私を頭痛が襲ってきた。
ドラッグストアがある町まで車を走らせ、ナロンエースを購入。
ホテルに入り、風呂に入る。ネットでくだらない話を読み、笑う。あまりにもいつもどおり。
近しかった人がもういない、ということは、「現実」より「想像すること」に近い。毎日会っていた人ではないので、単にご無沙汰しているだけのような気がする。
もう二度と会えないのだ、ということを受け入れるには、時間がかかるのだ。少しずつ少しずつ私はその現実を理解していくのだろう。
やっぱりくだらない話に笑い、食事をし、眠りながら。

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Comments

「-3」に意識が行きほかがお留守になる、思考がマイナス方向になる、そんなことが来なくても良かった災厄を招き寄せることがあります。気分を切り替えてのーんびりと過ごすのが吉でしょう。

シビアな現実になりますけど、年令上がる毎にこういうことはもっと増えてくると思うんですよ。とくに体に負担のかかるこの季節は。
月並みな言葉ですが、生き延びた人間は先に逝った人間の意志(遺志)を継いで、その分まで精一杯生きるしかないんじゃないかな。そのことが多分、先に逝った人にとっては一番の供養になると思いますし。

おふたりさま、どもありがとう。
だいぶ落ち着いた感じです。
なんていうかな。いわゆる人生の大先輩が、往生された場合はね、遺志をついで行きたいとか思えるんだけれど、自らの遺志や意志を他人に伝えることなく、ぱったりと夭逝されちゃった方を前にすると、無念だっただろうという気持ちが大きくなりすぎちゃって、なかなか割り切れないんだよね。
ま、それを含めたうえでいただいたコメントだと認識してるんだけれど、やはり、あれだ、特に寒い時期、決して他人事じゃないんだよなあと自認しつつ、自分を愛するのだ。肉体的にも精神的にも。

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