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はるみさんに花束を

打ち合わせで立ち寄った事務所の片隅に、古いPCアプリケーションがあった。
中を見せてもらうと、5inchのフロッピィディスクが数枚収められており、コピー紙によるマニュアルが無造作に詰め込まれていた。
これがきっかけとなり上司のK坂氏と、ちょっと懐かしいPCの話になり、自分の事務所に戻ったあと、私は、思いつくままに古いPC関連のキーワードで検索をかけてみたりした。

私が最初にじっくり触ったパソコンは、SHARP社のMZ-1200だった。私の持ち物ではなく、近所に住むTくんの家にあったものだ。Tくんはどちらかといえば、外で遊ぶのが好きな活発な子供で、パソコンもあまり積極的には触っていない様子だった。
だから多分、私はTくんよりも相当に熱心にマニュアル類を読んだし、関連書籍も買いあさった(いや、買ってもらったが正しいか)。
Tくん宅に通いつめては、マニュアルに掲載されていたBASICのサンプルプログラムを入力し、少しずつBASICの基礎を学んでいった。小学校高学年の頃の話だ。
当時のパソコンは、メーカーごと、機種ごとに搭載されているCPUや、その上に乗っかるBASICが異なっていて、たとえば雑誌に掲載されている他機種のゲームは、自分のマシン用に「移植」してやる必要があった。煩わしさもあったけれど、そういうものだと思っていたし、各社ごとの「方言」を理解する手立てとして有効だった。
その後同じくSHARPのMZ-2200を買ってもらった私は、それこそ毎日、MZにセイシュンをささげた。毎月マイコンBASICマガジンやら、PIOやら、Oh!MZだのを買い、そこに掲載されているプログラムリストを入力していく。よくもまあ飽きもせずと、今ならば思えるけれど、当時はそんなことまったく考えもせず、ただひたすらに遊び、使い倒した。

ところでそんな時期。毎月発行される雑誌に次々と新作を投稿していく常連プログラマ達が現れ、ちょっとしたヒーロー、ヒロインとなりはじめていた。
プログラムの説明を記述した原稿だけではなく、BASICのソースには如実にクセが現れる。ああ、この人は、サブルーチン化がうまいな、とか。技巧的なロジックを組む人だなあ、とか。そんな解析ごっこをするのも、楽しかったんだよな。
そんな中に、実にシンプルなプログラムでありながら、アイディアにあふれたゲームをつくる、「女子高生」がいた。
高橋はるみさん。北海道知事とはたぶん、関係がない。
月刊誌だけではなく、著書も次々に出された。一ヶ月間、毎日ひとつずつゲームを作るという苦行を成し遂げたり、すべて一画面で収まるプログラムだけを掲載した本を出してみたり。『』を多様した、独特の文章とともに、私はすっかりファンになっていた。というより、たぶん、私は、高橋はるみさんになりたかったのだ。

思い出話は、簡単に時間を飛び越える。
そしてWindows全盛の2004年の梅雨。そういえば……という気持ちから、知事ではない高橋はるみさんの消息について、Googleで調べてみた。
思ったよりも情報は多くない。2ちゃんねるの過去ログを発見し、読んでみる。

割とあっさり解明されるであろうという予測は大きくはずれる。
現在の消息はまったく不明。というより話題はむしろ、「実在したのだろうか?」という方向に傾いていた。
そして、その真相は、結局解明されることは無かった。数々の噂話と、それを否定する証拠。それでありながら、核心にはまったく近づいていかない。実在したとも、しないともはっきりしない。
ヴァーチャルな人格を作り上げることが、誰にだって可能になった現在ならば、たとえば一人のWebサイト管理人が女性のふりをした男性であったり、完全に作り上げられた架空のものであっても、誰も驚きはしない。いや、実害があれば別だけれど、さ。

もしかしたら、高橋はるみさんは、そうした架空の人物であったのかもしれないのだ。
20年も前に、そんなことをやってのけ、現在に至るまで、その真相が明らかにならない、というのは、ちょっとすごいのではないのか。いや、架空と決まったわけでは……。病気で亡くなったのだ、という説もあった。ああ、また話は堂々巡りだ。

ここで、甘さを我慢して、ドクターペッパーを口に運ぶ。
ちょっと顔をしかめてから、頭を切り替えよう。

もう、いいではないか。実在したかどうか、そんなことは、どうでもいいや。
少なくとも、小・中学生時代の私にとって、憧れたのは事実だし、その影響が今の私を形作っているのも確かなのだ。高橋はるみにはなれなかった。だけど、こうして今でもパソコンまわりの仕事をしたりしつつ、生きている。

物持ちのよい私も、残念ながら高橋はるみさんの著作は、手元に残っていない。中学時代に友人に貸したっきりなのだ。返せよ。H岡くん(笑)
別にそんなにノスタルジックな気分に浸りたいわけではないのだけれど、もう一度読みたい。高橋はるみさんだけでなく、森巧尚さん(この方はばりばり現役)のBASICマジックや、ハドソンソフト・ミソラーメングループが書いたMZ-80の本とかさ(誰がわかるんだ、ハングマン(笑))。

こうして、私のオークションアラートに、新しい一文が付け加えられる。

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Comments

自分が中学生のころにあこがれたのは「Yoのけそうぶみ」の鷹野陽子さんでした。単行本も持ってます。この人についても、「あれは、実は新井素子だ」などと言い張るクラスメート(女の子だったけど)がいたなぁ。その前の「マイコン私情」を書いていた黒田百合香さんは架空の人物みたいですね(パロディ版で告白されていたけど、真実とは思わなかったなぁ)。「PRISM RADIO」の安曇史美さんは(自分にとっては)まだ謎のままです。

5〜6年ほど前に鷹野陽子さんの姿をホームページで拝見しましたが、夢は夢のままのほうが、よかったのかなぁ(爆)。

高橋はるみさんについてのコメントはtrackbackを参照のこと(笑)
つーか「誰がわかるんだ」とか書いてるけど,どーせその「誰が」の中からあたしがデフォルトでオミットされてるのは言うまでもないんだろうな,と(爆死)

そういえば、猫とコンピュータってのもあったなあ。
えーと、ベーマガの投稿者では森沢桃子さんも好きだったよ。「彼女」にも憧れたなあ。綺麗なソース書くんだよね……。

……あれ、インタプリタでも、ソースって言うの?

ランタイムインタプリタでも,内部では中間言語格納してるわけだから,一応ソースって言えるんじゃないかなぁと(笑)
でも,プログラムリストと言う言い方をすべきだったかもね.当時はそう呼ばれてた様な気がするし.

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