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カエルマーチで行こう! 【4】

金曜日、久しぶりに残業も無く、早めに帰宅して、新発売のビールをぷしゅっと。
揚げ物は面倒だったので、缶詰のホワイトアスパラと、トマトをざく切りして、サニーレタスの上に乗っけて、特製ドレッシングで、はい出来上がり。ぱくぱく食べて、ごくごく飲んで、ふう満腹と、ソファベッドに横向きに足を投げ出す。ストッキングが伝線しかけているのを発見して、ちょっと舌打ち。でも、すぐあとで、まあいいか、と思う。
土日プラス一日の三連休が始まる。さあ、カエルマーチとどこへ行こう? と私は、関東全域のロードマップを広げた。

もしかして私、一生一人で生きていけちゃうかもしれない。
彼氏がいたらいたで、そりゃあ楽しいし、いろいろと助けたり、助けられたりするのだろう。でも、いなければいないで、とりたてて困るようなことも無さそうだ。
一人上手という言葉が一瞬頭に浮かぶ。あれ、でもそれって、えっちな意味だっけ? と酒好きという理由だけでなく、オヤジ頭脳になっているのかもしれない私は、ちょっとマジメに考える。
サチエはどうしているだろう。このところずっと私とでかけることが多く、彼氏の途切れることがなかった彼女にしては、珍しいことだ。
ちょっと探りを入れてみよう。と、サチエの携帯にメールを入れる。
「毎度、サギリさんですよ。連休は彼氏とタダレタ生活を送るのかね? うっひっひ。」
右手の親指をすばやく動かしながら、こんな28歳でいいのかな、という気持ちと、うっひっひよりは、いっしっし、のほうが感じが出るかなとか、考える。
送信。少しの間をおいて、返事が来る。
「いま、ざんぎょーだー。ふざけんな かちょーのやろう。てか、会議なげえよー。おなかすいたよー。ビールのみたいよー。ついでに、カレシほしーよー(爆」
思わず、サギリさんも、このメールには、手を合わせましたよ。おいたわしや、サチエ殿。
しかし、そうか、彼氏、いないのか。その割には、このあいだEGOISTEの香りがしたんだけどな。

結局まあ、イマサラどこか宿をとって、なんてことは出来ないので、近所のショッピングセンタまで二人で出かけただけだった。
輸入品マーケットで、見たこともない食材を買いあさり、ビールにあうおつまみ作り実験を繰り広げた。同じように見たことも無い、外国のビールをさんざん文句を言いながら飲みちらしたりもした。
パジャマに着替えて、サチエ用布団を敷いた途端、まるで「そういう話題」を避けるかのように、サチエは、高速で寝息を立て始めた。え、なんだよ、それはよ。
たまには、オトコの話も聞かせろよ、とサチエの肩を揺すってみたけれど、起きる気配はない。しまった、そんなことなら、飲んでいる最中に話を振ればよかった、と後悔しても、もう遅い。
別に私は、人の恋愛話を根掘り葉掘り聞きたいわけではない。むしろそういう話は苦手の部類に入る。しかし、サチエは別だろう。あれだけのモテモテ女に、こう長いこと彼氏がいないというのは、天変地異にまで発展しかねない。

「大げさだよ、サギリは。」
例によって、口に出してつぶやいていたらしい私に対して、諦めたような小さな声で、サチエは言った。
「……カレシがいないのは、ホント。そんで、週末はサギリと出かけているのも、ご存知の通り事実。で、実のところ、オトコとの関係は、ある。それって、つまり。週末は別の女と過ごすオトコと、繋がっちゃったのよ。」

こういうとき、私はどういう反応を示したらよいのだろう。私の根っこのほうにある感情で言えば、「それは、有り得るよなあ……。」だけれど、ここでこの状況を肯定してしまうのも、少々ヘヴィだ。「うわー、そうなんだ。」とだけ言ったら、私には、次の言葉が浮かばなくなってしまった。
「だから、あんたには話したく無かったのに。」
モテモテ女のサチエさんは、少々余裕かまして言うじゃないのさ。一瞬だけムッとする。
でも、それは付き合いが長いからこそ、の配慮だったのかもしれない。
仲良しでも、言えないこと、言いたくないこと、そして、言っちゃいけないことがある。
弱音を吐けばいいというものでもない。でも、強がってばかりいても、いつか破綻する。
バランスが大事だよなあ。と、思いながら、私はミネラルウォータを少し口に運んだ。

で、その後どうなったかというと、別にどうもならないわけで、相変わらずサチエは妻帯者との恋愛を苦しみながらも続けている様子。私に対してそれを逐一報告するような真似はしないけれど、ちょっとだけ、苦しいという胸のうちを、滲ませるようにはなって来た。つまりそれは、やっぱり限界が近いわけで、早いところ、精算したほーがいいぜー、と絵文字の少ないサチエのメールを見ながら思う。
もてる女も大変そうだ、と私は思う。もてる=恋愛上手なわけではない。いい女=恋愛上手でもない。なんとまあ、難儀なことだろう。
私のように、平凡な外見と、平凡な恋愛遍歴を持ち、平凡な暮らしをしているヤツが、そういう面では楽なのかもしれないなーと思うのだけれど、別に平凡であることを至上のように思っているわけでもないので、若干複雑でもある。

人生何があるかわかりゃしない。突発的な出会いがあるかもしれないじゃないか。
ドライブ先で出会った男の話を得々と述べる掲示板の書き込みに、中指立ててお前はいいよなっと悪態をつきつつ、ノートパソコンを乱暴に閉じ、私は今日もカエルマーチと私を磨くのです。
きゅきゅきゅっとな。

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Comments

ストッキングは「伝染」はせんだろ(笑)
「伝線」だな。以上、謎の編集担当より(をい)

_| ̄|○

……直しました。

カエルマーチ イイ(・∀・)!
軽妙にして絶妙っす。

こんにちは。「ココログ」だったか。
僕のblogにリンクさせていただきました。よろしくね。

> ちちやす殿
ありがとー、素直に嬉しいよう。
ようやく筆が乗ってきた感じ。

> GAO QIAOさま
はあい、どうもー。
というか、毎日虎視眈々とTRACKBACKしてやれるネタは無いものか、と狙っていたら先を越されちゃいました(笑)

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