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Happy Halloween

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ふっふっふ。

毎年、ハロウィンの時期になると普段しないメイクで遊んでみたくなります。
今年は昨年より派手に……と思って、百均のメイク道具かき集めてやってみたら……全然色づきダメで、うーん、やっぱりお値段なりだなあと、秘蔵の三善メイク道具使ったら、派手になりすぎました。はっはっは。
そしてさらにスマホアプリで盛りまくってみたわ。いや、どうせなら振り切ったほうがおもしろいじゃんか。

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やりすぎ、とか思う一方でもっと首元とかデコルテもきっちり塗らないから顔が浮くんじゃーと思ったりもするのです。白塗りとか好きだしな! いっそ全身……。

は、無理です。ひとりだと撮影できないから(それが理由??)

加工前の写真もちょこっと。
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さーてじゃあ落とすかーとお片付けするにはメガネ無いとね。

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いるいるこういう人!(そうかな?)

Call Your Name

「いつから好きになったのですか?」という問いには残念ながら答えることができない。いつ、という明確な区切りをぼく自信が認識していなかったからだ。

しかし「いつ出会ったのですか?」という問いにならば回答することができる。1984年の4月。中学校の入学とほぼ同時だったと記憶している。

当たり前と言っていいのかどうかわからないが、当時真帆は男子中学生であり、前髪をおろしてメガネをかけていた。明るく友人も多そうに見えたが、おそらく「こちら側」だろうと思っていた。

「こちら側」とはもちろん、オタク側、という意味で、子供の頃のアニメ好きとはまたちょっと違った気持ちで、アニメ雑誌を立ち読みしたりするようなタイプを指している。ぼくがそうだったから、ということもあるだろうが、自然と世の中の人達を二分してこちら側陣営を増やそうと思っていた。

世の中は、乱痴気騒ぎの如くに明るさを謳歌し、そこに属さない人たちをネクラと蔑み、オカマなど格好の笑いものだった。21世紀の今になって真帆と、あの時代は最悪だった、という話をすることがある。テレビにもオカマの人はよく出てきていたが、登場=笑っていいですよ、という合図のようなものだ。その人が面白いことを言って笑わせる、というのとは明らかに違うムードが漂っていたように思う。

真帆は、小学校からの友人が多かったようだけれど、なんだかちょっと合ってないようにも見えた。ぼくたちオタク組にシンパシーを感じているように思えた……ので、声をかけた。最初にどんな話をしたかは覚えていない。けれど、好きな漫画やアニメの話だったとは思う。ゲームだったかな。

しかし真帆は思ったよりアニメを見ていなかったし、詳しくも無かった。ちょっと拍子抜けしたが、テレビそのものをあまり見ていないようで、漫画だったらそこそこ語っちゃうよ、なんて笑っていたのを覚えている。

もちろん当時の真帆は女装をしていなかった。物心ついた頃には女の子に憧れがあり、思春期の頃には明確に意識していたというから、もうこの頃真帆は女の子になりたいと考えていたはずだ。けれど、ぼくを含め、当時の同級生は誰もそうだとは知らないだろう。真帆は極めて上手にその思いを隠していた。

ただ、一度だけ、思い当たるフシがある。あれは中学三年生の頃だったと思うけれど、友人間で話題になっていた小説があった。「未来放浪ガルディーン」。火浦功が小説にしたすちゃらか巨大ロボットコメディ。真帆はガンダムも見たことがないというのに、なぜかこの本を熱心に読んでいた。そして、ぽつりと登場人物である、シャラ=シャール・酒姫への憧れをこぼした。ダブル主人公のうちの一人、女装の踊り子だ。

どのキャラがいい、なんて話はぼくたちにとって日常的な話題であり、特に珍しくもない。他にだって、「パタリロ!」や、「うる星やつら」について語ったりしていたではないか(……今思えばどちらにも性別を越境したキャラが出てくるが)。しかし、そうしたキャラ萌えというよりは、そのキャラのように生きたいという表明のように見えた。詐欺師にカマ掛けるような狡猾な生き様の部分にぼくなどは注目していたけれど、そうではなかったのだな。可憐に女装して踊ってみせたかったのだ。

意図的なのかそうでないのか、そういう話をぽつりぽつりとするときの真帆は、メガネを外したりすることがあった。理由はよくわからないが、メガネを外したときの顔が女性的に見えることを知っていてやっていたのかもしれない。事実、ぼくは、その真帆を見て、きれいな目をしてるんだなと思った。最初にも言ったが、それが好きになった瞬間とかそんな大層なものではない。それを意識するのは、もっとずっと後……30年近くも後になってからだ。

真帆とぼくは、高校も一緒だった。うちは市内の南側、真帆は市内の中央北側寄りに住んでいたので、帰り道は一緒ではない。けれど、駅まではなんとなくだらだらと自転車を押して話ながら歩いたりはした。漫画研究部などがあれば入りたいと思っていたのだけれど、漫画や絵に関する部活は美術部しかなく、どうやら文芸部がそれに一番近いと聞き、真帆と二人で入部届を出しに行った。ああ、そういう行動も先輩方に腐のつく女性がおられたら格好の餌食だったのかもしれないと思う。それから長い月日を経て、本当にカップルになりましたよって報告したら、どんな顔をされるだろう。

思い出話ばかり長々としていても仕方がない。もう少し話を飛ばそう。

高校はコースからして別々になった。ぼくは理数科。真帆は普通科。若干の授業カリキュラムが変わるぐらいで日々の生活はあまり違わない。真帆は、文芸部と並行してバンドなんかもやっていたみたいだけれど、実はそのへんの活動についてはよく知らない。当時の写真もあんまり見せてもらえない。男っぽいから? とたずねたら、違う、私細かったから、だって。どんな理由ですか。比較されて太ったって言われるのが嫌なのか。今ぐらいまるまるしてるほうが柔らかくてよいではないかと思うのだが。

さておき、卒業と同時にふたりとも大学へは進学せず、予備校に通うことになった。まあ……いわゆる浪人というやつで。同じ予備校だったりすればまた運命は違っていたのかもしれないけれど、残念ながらそうはならなかった。そして、真帆はそれを期に一人暮らしを始めたようだった。あんなに多趣味の人がこの時期に一人で住むとか、今で言う「死亡フラグ」みたいなもので、やりたいこと多すぎて二浪するんじゃないかしら……と思ったりもしたのだけれど、どうやら無事に大学入学を決めたようだ。ぼくも辛くも都内の大学に進学することになった。

若かったぼくは、たとえ別々の学校に行こうが、友情が簡単に壊れたりはしないと頑なに信じていた。

事実、友情は壊れなかった。しかし、その友情を温めるには、時間が足りないことを悟った。日々が豪速で過ぎゆくことに加え、怠惰さも加わり、自然と疎遠になってしまったのだ。結局年賀状だけの付き合いがしばらく続いた。

再会したのは、真帆はFacebookだと思っているようだが……実は違う。それより前にTwitterで見つけた。

Twitterは興味本位で登録してみたものの、イマイチ自分から発信していくことに積極的になれず、アイコンもデフォルトのまま、ROM専になっていた。

その切っ掛けはまったく覚えていないのだけれど、そういえば真帆はこういうwebサービスとか好きそうだし、アカウント持ってるんじゃないかな? と気づいた。探してみようか。とはいえ、他人が使いそうなアカウント名なんてそう簡単には……、わかる。

真帆が高校時代から使ってるペンネームや、メールアドレスのアカウント名は、ずっと変わっていないはずだ。ユニークなバーチャルネームを持ってるとリアルの自分とは切り離した同一性を確保できるから、ということを今から20年も前に考えて実現していた……のが理由かどうかはわからない。けれど、そういうキーワードが真帆にはあった。

ヒットすればラッキーぐらいの軽い気持ちで検索したら、ジャストミート。ぼくの知ってるペンネームで一日10回ずつぐらいつぶやいていた。若者ほどに無駄話も多くなく、時々オリジナリティのあるダジャレなどくだらない話も織り交ぜ、軽い近況報告の場にしているようだった。名前とbio欄で本人だと確信したものの、唯一引っかかったのがアイコンの実写女性写真だ。

いや、もうその時点で、女性じゃない、これ、真帆だなと気づいていた。髪型もロングヘアだしメガネもかけてないけど……ぼくがこの顔を間違えるはずもない。第一印象は、「はー、綺麗になるもんだなあ」だった。

そうか、真帆のどこかミステリアスな雰囲気はこの辺りから来ていたのか。物腰の柔らかさや描く絵や文章の女性的な雰囲気など、思い返せばあれもこれも伏線のように思えてくる。性転換ではなくあくまで女装なのだということは過去ログを読んでいてわかった。ふむ、可愛いではないか。

少し前までは、女装というとどうしたってマイナスのイメージがあった。特に40代の女装といえば、無駄にエロい下着を着て、舌なめずりしてるような下品な写真のイメージしかなかった。真帆がもしそんな女装をしていたら……付き合ってなかっただろうなあ。そういう人は不特定多数の男性とよからぬことをしたいからセックスアピールを必死になってしているのだろう。かたや真帆がなりたい女性像は、ごくごく普通に暮らす同年代の生きた女性のようだ。だからおしゃれをすることもあるし、手を抜いて気楽な格好で買い物に出ることだってある。そういう普通さに強く惹かれた面は否定しない。

さて、気づいてしまった以上、声をかけたいのだけれど、どうすればいいんだろう。真帆のフォロワーは200人程度。社交的な人だからリアルの知り合いだけでもそのくらいはいるだろう。時々あけすけな女装に関するネタツイートもしているところを見るとネットの知人とだけつながってる可能性もある。かつてアップされた自画撮り写真をさかのぼって見てみる。あー、可愛いなあ、気取ってなくて、ごく普通の女性の生活が見えるような写真がほとんどだ。あっ、まどかコスプレ発見。アニメはあんまり見てなかったと思うけど、趣旨替えしたのかな。いや、さすがに話題作だしそのくらいは見てるか。

重ねて言うが「好きになった瞬間」は記憶していない。いないけれど、こうして写真を見ているときに、こんな子と付き合いたいなあと思ったことは告白しておく。ただそれは真帆というパーソナルを意識して、というわけではなく、単純に「写真に写っている女性」を切り離してそう思った。こういう「すごい美人」でも「アイドル級の美少女」でもない、身近にいそうな女性のいろんな写真なんて、身内ぐらいしか見る機会無いだろうから、僭越なモテない童貞のおっさんは、ああ、いいなあ、こういう子と結婚したいなあとか身勝手に思うものなのだ。

結婚……いや、結婚は無理だな。かつてぼくはお見合いを二度ほどして、二度ほど断られている。会話が弾まないのだ。「喫茶店で二時間程度楽しく会話ができる」ことが結婚相手の条件、と紹介してくれた人に言われた。その方は限りなくハードルを下げたつもりでそう言ったのだろうけれど、二時間は長い。趣味が一緒だとか、アニメやロボットやバイクやエンジンの話を一方的にこちらがして、うなずいてくれるというような非対称性を認めてくれるならばともかく。

自分には結婚は向いてないのだろう。長男ではないのであまり家のことを意識することは無いけれど、老後の暮らしを考えるとずっと一人というのも難しそうだ。

真帆は、結婚しているのかな? 彼氏のような影は見えないし、彼女がいたらこんなに女装ライフを漫喫できないんじゃないか。

Twitterだけだとわからないこともあるので、他にもこっそり調べた。mixiとFacebook。ペンネームとメールアドレスから簡単にページは見つけられた。mixiは割とアクティブに使っているみたいだったけれど、日記が友人まで公開になっていた。とりあえず保留。Facebookを見るとパーソナル欄に、独身と書かれていた。名前は本名推奨なのだけれど、苗字はリアルな望月、名前は、男性名ではなく、真帆になっていた。なるほどそうやって使うんだ。性別も女性になっている。現住所は千葉県か。仕事の関係だろうか、甲府には戻ってないようだ。

ここならば大丈夫かな、と何の根拠もなく、メッセージを送信した。「甲府にいた望月くんですか?」

もっと他の言い方があっただろうと今となっては思うけれど、まあ、切っ掛けとしては結果的に良かった。

そこから交流が再開して、トントン拍子に一緒に飲むことになって、二時間どころか何時間でも一緒にいられることに気づいて、はっと思った。切り離していたはずの「こんな子と付き合いたい」と真帆のパーソナルが合致したのだ。

真帆は、ぼくと会うとき、女装じゃなかった。女性的に見えるけれど、男性でーすというポーズをしているような。中性的というよりは、中途半端。これが真帆なりの迷いだったということはあとからわかったのだけれど、最初はちょっとがっかりした。女装じゃないんだ? って聞いちゃったこともあったように思う。

ま、そこから紆余曲折あって、付き合うことになった。こうあっさり書くと、あっさりとした出来事であったように思えるけれど、実のところ気分の高揚は天に登るほどである。根が理系なので、情熱的な文章に昇華するのは得意ではない。その辺の話は真帆に聞いてくれと思う。

指輪あげた話とかもしない。単に恥ずかしいからだ。真帆が喜んでくれたのならばそれでもう充分なのだ。

昔は、ずっと望月くんと呼んでいた。なので再会してからもしばらくはそう呼んでいたのだが、付き合うことになったあと、真帆から、呼び名変えてと言われた。えっ、と思った。そうかそういうところを女性側は気にするのか。鈍いなぼくは。でも、真帆ちゃん? 真帆くん? 真帆さん? うーん、どれが正解なんだろう……。少し困って、じゃあぼくのことはなんて呼んでくれるのさと言ったら即座に、「幸人さん」って言われた。……ああ、なるほど、この少しくすぐったい感じか。仕事では当然苗字で呼ばれるし、あだ名が名前にまつわるものだった試しがない。親からは呼び捨てで呼ばれるがそんなのは当たり前であり意識したことなどなかった。パートナーに名前で呼ばれることの甘さを噛み締めた。よいものだ。

じゃあぼくも「真帆さん」と呼ぼうかって言ったら男が女を呼ぶときはもっと距離が近いのがいい! って、細かい注文を出された。呼ばれたい言い方があるということだな? それを探るのか。

「真帆ちゃん?」「えー、私達43歳だよー?」

「真帆くん?」「なんか古いアイドル雑誌みたいじゃんw」

ならばこれしかないか。少しためらいつつ、「……真帆」と、呼び捨てにした。

すると、真帆はちょっと照れながらぼくをしっかり見据えて「はい」と返事をした。

あー、もう、今の返事には絶対ハートマークついてたよな!? 可愛いなこんちくしょう。この可愛いのが俺の嫁だ。舞い上がらないわけがなかろう!

さり気なく「俺の嫁」とか言ったが、実際には結婚していないし、そもそもできるわけではない。養子縁組という手続きもあるけれど、まあ、ゆっくり考えよう。あんまり猶予ないけれど、まだしばらくはいいじゃないか。

ところで、真帆のことを人に紹介するときにはどうしよう? と本人に相談してみた。

「彼女」?「女房」?「妻」? 見事にどれにも「女」って文字が入ってるなあ、それでももちろん構わないのだけれど、せっかくだから違うのにしようか、と言ってみる。「家内」?「奥さん」? ってそういうのは結婚してると誤解されちゃうよーと真帆は照れる。

「パートナー」?「相方」? と言ったら真帆は、言った。「なんでもいいけど、一番甘いやつがいい。」

それを難題と言うのだ。未だに決めきれていない。マイスイートハニーとか紹介してやろうか。真顔で。そしたらぼくもダーリンと呼んでもらいたい。電撃くらいそうだけどな。

Delusion Stream Liner

コンビニの店員バイトをやっていますと、いろんなお客さんとふれあうことになります。

毎日同じものを買って行かれるお客さんは、自然と覚えてしまいます。そうするとついつい心の中でアダ名をつけてしまったりして。たいていは、その方のタバコの銘柄とか、毎回買っていく特徴的なもので。キャビンマイルドの人とか、ハッピーターンの人とか。

そういう方って、おそらくご近所にお住まいか、職場があるんでしょうね。不条理なクレームをされたりしない限りは、どんなお客さんもお客さんです。

さて、そんな中、最近一人のお客さんの、あることに気づいてしまいました。何に気づいてしまったのか。

そのお客さん、男性の姿で来られるときと、女性の姿で来られるときがあるんです。おそらくご本人はバレてるとは思ってらっしゃらないんだと思います。単に無頓着なのかもしれませんが、もし自分がそうだとしたら男女のときで別のコンビニに行くと思うんです。

いくらコンビニには大勢のバイトがいるとはいえ、シフトの関係上、両方を目撃することは充分有り得るのです。まさに私が気づいたように。コンビニ店員にバレても問題は無いと考えているのでしょうか、それとも絶対ばれない自信がおありなのでしょうか。

元の性別は男性なんだと思います。で、時々女性の姿で来られる。きちんとお化粧もして、スカート履いて。コンビニ程度の接客速度と会話では、おそらく見抜くことは難しいかな、というレベルじゃないかな。見た目じゃほとんどわかりません。ホット商品の注文などで声を聞くことがありますが、ちょっと低い声だなとは思いますが、あらかじめ疑いの目で見ていなければスルーしちゃうでしょう。

男性のときの服装は、一応ビジネススタイルであることが多いですが、あまりキチッとした感じでは無い様子。上着やネクタイはないことが多く、代わりにカーディガンを羽織ったりして。そして、長い髪を一つに縛っています。そういうのが許される職場なんでしょうね。

女性のときの衣服の感じからすると、夜のお仕事というわけでもなさそうです。どちらかというとほわっとした少女的な服を好まれるようです。フリルとかちょっと多め。年齢は30代から40代くらいだと思いますが、童顔のためか似合っています。

買っていくものに決まったものはありません。タバコも吸わないようです。お酒は時々買って行かれます。年齢確認ボタンを押す時、ちょっと可愛い感じで押します。絶対心の中で「えいっ」って言ってます。乙女を漫喫している感じがして、私は嫌いじゃありません。

アダ名は、オトメさん、と名づけました。

だんだん私はその人で妄想をするようになります。違う服を着せてみたいとか、……脱がせてみたいとか。どういう身体をされているんでしょうね。あんまり痩せ型ではないので、ぽちゃっとした感じの丸みのある身体でしょうか。

私は、趣味で絵や漫画を描くのです。世間一般的にBLと呼ばれるジャンルです。男性同志の恋愛を妄想したり傍観したりするのが好きなのです。なので女装、どんと来いです。というか、リアルな妄想材料をありがとうございますというか。

オトメさんは、必ず一人で来られます。複数人で来たのを見たことがありません。

勝手な妄想が膨らみます。別の常連さんとカップルにしてみたりします。最近駅前ビルの工事のために来ている屈強な男性とくんずほぐれつさせちゃったりします。ああ、可哀想なカノジョは乱暴に扱われて、シフォン生地の柔らかなブラウスの下にアザや傷を隠しているのです。……とか。見えそうなギリギリのところに強くキスマークをつけられてしまったりとか。

……この妄想はかなりはかどりました。ノートにネームまで起こしてみました。描いてみようかなと思っています。

そんな私の妄想の餌食になっていたオトメさんですが、ついに変化が訪れました。いや、他のバイトさんだったら気付かなかったかもしれませんが。

男性モードで来店されていたときです。いつものようにお買い物をして、お財布に手をかけた時、見えました。

指輪を、していたんです。今まではしてなかったはずの左手薬指に。細い目立たない感じですが、キラっと光ったのをワタクシ、見逃しませんでした。そして、うっかり、そこに目を奪われたまま、私はあっと声をあげてしまったのです。

オトメさんは、そんな私を見て、一瞬驚いた顔をしてから、ゆっくり微笑みました。あぁ可愛い笑顔……。本当に乙女っぽいなあ。よいなあ。……どういう人にもらったんだろう。女の人にもらった可能性だってあるけど、あの指輪は女性向けデザインです、どう見ても。

金額を告げて、お釣りを渡して、いつもならコンビニ店員とお客さんのふれあいは以上で終了です。もう少し知りたい、聞きたいな、と思った私は、店員の枠からちょっと足を踏み出しました。「あのっ……」

「はあい?」とオトメさんは、小首をかしげるようにして私の顔を見ました。男性モードなのを忘れてるんじゃないかしら、この人と思いつつ、勇気を振り絞ります。「指輪、素敵ですね。」

言えた。言った。するとオトメさんは、目をぱちっと見開いて、「ああ……これ、気づいちゃうよね。ちょっと恥ずかしいな。でも、ありがとう。」とおっしゃいました。

世の中の人は、恋人でもない他人の小さな変化や違和感を通常はスルーします。気づいたとしても、それに重要な意味でも無い限りは話題にもしません。心のなかのちょっとしたもやもやとして短期記憶だけされ、長く覚えていることもほとんどないでしょう。そうした記憶の隙間をうまく利用して、オトメさんは男と女を行き来しているのかもしれません。まじまじと見れば、男性モードであっても、爪にはベースコート塗られているし、ファンデーションも塗ってるっぽいことに気づくのですが。

「私みたいなの、お店で話題になったりするの?」とオトメさんは言いました。私の胸がちくんと痛みます。私みたいなの、というのが女装する男性、という意味であることは間違いなさそうだけど、そんな卑下した感じで言ってほしくないと思いました。

「ファンなんです。」と私は言いました。ものすごいそぐわない一言だと我ながら思いつつ。ああ、やっぱりオトメさん、固まっちゃったじゃないですか。でも、手で口元を抑えながら、笑い出したようです。あなた、おもしろいねって聞こえました。

私はますます挙動不審状態になって、「も、もっとオトメさんのこと教えてください。」って言っちゃいました。

ばか。

ばかばか。

オトメさんって、私の心の中でのアダ名でしょうが。本人に言うとか、一番やっちゃいけないことでしょうに!

でも、オトメさんは、全然怒ったふうを見せませんでした。それどころか、潜めた声で「それが私のコードネームなのね? うふふ、やっぱりおもしろい子だね、レジ子ちゃん。」

天よ。神は目の前にいました。ちょう心広い。めっちゃいい人です。私はあたふたと謝ったりお礼を言ったりと、さらに挙動不審度を増しました。わひー。

そうこうしているうちにレジに行列ができてしまって、私はあっ、すみません、とか言ってレジに戻りました。視界の端っこにオトメさんはまだいて、スマホを取り出して何かしているようです。

レジの行列をさばいて、一息ついた私に、オトメさんは、スマホの画面をこちらに向けて見せてくれました。

「これ、LINEのIDね。……LINEでよかった?」

よいです!! と大きめの声を出して、私は慌ててメモを取ります。メモが終わるのを見計らってオトメさんは、じゃね、と立ち去っていきました。神々しく光の輪を背負って。それは私にそう見えただけか。私はふかぶかと頭を下げて、ありがとうございました、と言いました。

すると、背後から店長がぬぼっと顔を出して、ほう、オマエはああいうのがタイプか? と言ってきました。思わず、ぎゃーと言いそうになりましたが店内だったのでこらえます。ち、違います、ちょっと……趣味が同じだったのでそれについて話をしただけです、すみませんでした! と言って、店内の品出しに向かいました。店長怖いです。女性だけど。貫禄ありすぎの店長。漫画で描くとしたら、眠そうな目にタバコくわえて、首筋とかぽりぽりかいて、無精髭がある感じです。女性だけど。

ちょっとウキウキした気分で仕事を済ませ、帰宅しました。夜22時。オトメさん、大丈夫かな、この時間。

まず検索。あった、これでしょうか。真帆ってのは本名なんでしょうか。女性のときだけ使ってるIDなのかもしれません。アイコンめっちゃ美人に撮れてます。本人も可愛い感じの人だけど、よりいっそう可愛い。そして若くみえます。このアイコンだと20代って言われても信じちゃうなあ。……年齢聞いたわけじゃないから、ホントに20代ってこともありますけれど。

さて、ひとまずはお詫びをしておかないといけません……。「こんにちは、コンビニのレジ子です。いろいろと失礼をはたらいてしまいごめんなさい。でもお話できて嬉しかったです」と書いてひとまず投げます。おや、すぐに既読になりました。そして数秒ののち、

「こんばんわ。昼間はどうも。オトメさんですよ」と、返って来ました。ぎやー!

「ぎやー。忘れて下さい……ごめんなさいごめんなさい」

「あら、全然気にしてないから、気にしないでね」

「心広すぎっすよ……ありがとうございます。私はレジ子でいいです……」

「名前欄に、五花って書いてあるけど?」

「あう……。はい、それ、あの、本名です」

「なんて読むの?」

「いつか、です」

「いい名前。可愛い。似合ってる」

「うう、ありがとうございます。あの、真帆さんって呼んでいいですか……」

「どっちでもいいよw」

「心のコードネームも変更しますう。まほさんまほさん」

「それね、本名じゃないけど、本名ね」

「……ああ!」

そこから、真帆さんは、詳しくいろんな話をしてくれました。本名改名の手続きとかすれば通るんだろうけど、まだ今のところはこのままでいいかなって思ってることとか。女装を始めたのは一人暮らしをはじめてからだけど、したいと思ったのは思春期の頃には、だとか。コンビニへは、バレてるかもしれないけど、裏で笑われてるだけなら実害無いからいいかと思ってたとか(笑ってなんかいません! と私が力説しました)。

「どうして私に興味をもってくれたの? 女装おじさんが珍しかった?」

と真帆さんは言ってきました。

「うう、そういう卑下っぽいこと言わないでください」

「あ、ごめん。つい。だって、年下の女の子と話すことなんてないから、私だって緊張してるのよ」

だって。

「私も緊張してます。ってか、自分のやってしまったあれこれがまだ響いて、もうしわけないきもちで」

「だから、怒ってないってばー」

「はい……。えっと、そうだ、その、ゆびわ」

「ああーそうだったね、ゆびわ」

指輪のスタンプが来ました。めっちゃダイヤがぎらぎらしてます。

「そんなごついのじゃなくてw」

「そうねw」

「あの、答えたくなかったら答えなくていいんですけど……、彼氏さんからですか?」

「そうよ」

即答でした。

「私、43歳になるんだけど、」

「!! み、みえない」

「ありがとうw お世辞言われても何もでないぜw」

「おせじじゃないです」

「てへっ。その43歳でね、はじめてできた彼氏」

「わー! すてきですすてきです」

「いいだろうw 彼もね、同級生なんだけど43歳ではじめてできた彼女だって」

「ほおー、奥手さんですね」

「だよねえ。しかも彼女が女じゃないとか。うふふ」

「……まほさん、つっこみにくいです」

「ぬ。ごめん。私は、本当の女にうまれなかったことをうらんだり、くるしんだり、あんまりしてないから、ついつい」

「はい」

ほんとうかな。でも、真帆さんは冗談以外で嘘をつくような人でもありません。「あんまり」がポイントなのかもしれないと、心に刻んでおきます。

その日から夜になるとちょっとしたチャットをするようになっていきました。少しずつ真帆さんの考えてきたこととか、通ってきた道とかが見えてきます。今度彼氏と一緒にご来店くださいって言ってみたところ、彼氏とはまだ一緒に住んでないから、家に呼んだ時にねって言ってもらいました。どんな彼氏さんなんだろうと妄想を大爆発させます。奥手で同級生で身体大きい牛みたいな人って真帆さんは言います。言葉だけだと褒めてないように見えるんですが、真帆さんが言うとのろけにしか聞こえません。

私が漫画やイラストを描くことは真帆さんに教えました。その直後、何も言ってないのに「いつかちゃん、攻めの反対は守りよねw?」って送られてきました。私は観念して腐の文字がつく女子です……とカムアウトをします。そしたら「だと思ったw」って言われたのですが……。コンビニ店員コスプレをしているときには、リア充マントをかぶって完全防御をしているつもりだったのですが、やはり漏れちゃうものなのでしょうか。

「私のこと、描いたことある?」

と、にやにやしたアイコンとセットで聞かれました。もうとっくにバレているのでしょうね。完敗です。というか、私も心のどこかで、真帆さんに見て欲しいと思っていたのかもしれません。スマホでイラストの写メ撮って、送ります。

真帆さんからの返信までにはちょっと間が有りました。私の絵柄は、デフォルメがあんまり無くて、古いタイプなので、男っぽさが強く出ちゃったかもなあ、もっと可愛く描けてるやつを送ればよかったかなあと、しばしウジウジしていたら、真帆さんから、「保存しました。めっちゃ美人に描いてもらったよう、うれしいよう」と涙目アイコンつきで返って来て私は大きく胸を撫で下ろしました。

「じつは」

「はい」

「ほかにもいっぱいあります」

「まじで。ぜんぶください」

「ぜんぶはだめです」

「なんでよー」

「だ、だって、私の妄想100%なんですよ……」

「べつにいいじゃん」

「セーラー服とか着せてます」

「( ゚д゚)クレ」

「えっ 最近だと、島風コスとかもさせてます」

「( ゚д゚)クレ( ゚д゚)クレ」

「いいんですか? おこってないですか」

「おこるわけない。全然おーけー。ってか、本気で欲しい」

「……真帆さんって、コスプレとかもするんです?」

「……わ、わかいころはね」

「みせてくれたらわたしもあげます」

「うわ、とりひき来たw」

などというしばしのやりとりのあと、真帆さんのコスプレ写真を何枚かゲットしました。

うわ、なんだこれ可愛い! 鏡音リンちゃんではないですか。うっわなんだこの可愛い40代。ショートパンツから伸びた足がちょっと太くて健康的で、女の私でさえそれを官能的と感じるような足です。げ、こっちは、鹿目まどかちゃん。ふっくらした頬によく似合っています。

ってか、真帆さん、どっちのキャラもここ数年のじゃないですか。……さっき若いころって。と、ツッコんだらふくれられた。ふくらんだモチみたいなアイコンが連続でいくつか来たので、必死であやまります。てか、43歳でここまでできるなら上出来すぎじゃないですか。

これ描きたいな……そして、男キャラと絡ませたいな……。彼氏写真も欲しいなあ……。

でも、先に約束があるので、妄想コスプレをさせたイラストを送ります。

「ぎやー可愛い! うれしい! さすがにぜかましは着れないと思ってたので、イラスト超嬉しい!」

と、喜んでいただけたようなので、何よりであります。

本当に見せられないのは、コスプレをしている絵ではなく、何も着てない絵なのでありますが、それはまだ送らないでおきましょう。どうせ、そういうのがあることもお見通しなんでしょうけれど。

「ね、真帆さん。真帆さん彼氏の写真も欲しい」

「あーそうねえ」

「うん。そしたららぶらぶな感じの絵にする。したい」

「うわーそれはきょうみあるな……。でもごめん、彼氏写真、無いのよ」

「あれ」

「や、一枚だけあるけど、これはちょっとごめん、大事な一枚で、人には見せられなくて」

それが見たいのに! と思いましたが、真帆さんにとっての彼氏はとても大事なものだと思うので、そこには駄々こねないことにします。

「そうかーざんねんなりー。ってか真帆さん、うちの店の前に証明写真機あるじゃないですか」

「……あったっけ、あったようなきがするな」

「それで彼氏とつーしょっとどうすか」

「あの機械の売り上げってお店のものになるの?」

「ちょっぴりね。って、そういうことじゃなくて!」

本気で店の営業とは思ってなかったのですが、この提案は真帆さんにとって魅力的なものだったようです。真剣に考えるって言ってくれました。プリクラ専用機じゃないから狭いですけどって言いましたら、狭いのってもえるよねって返されました。おあつうございます。

おじさんおばさんカップルだからさ、ゲーセンのプリクラはちょっと恥ずかしいのよ、と真帆さんは言います。そんなことないのにって思いますが、ゲーセンプリクラに並んだことがある私は、確かにギャルとか多かったしなと思い返します。なんか初々しくて聞けば聞くほど可愛らしいカップルに思えてきます。

彼氏とはアキバでよく会うようですので、ちょっと遠くにお住まいなのでしょうね。真帆さんのおうちに来られたことも何度かはあるようですが。

十代の頃と違って、恋愛もね、ゆっくりペースなのよ、と真帆さんは言います。毎日会えなくても大丈夫だったりするの。そりゃ会えるならそれに越したことはないけれど、ね。

その、会えない日のために、指輪ってあるのね、と真帆さん。なんかね、これがあるだけで、何の根拠も無いけど「大丈夫」って思うの。買ってくれたときのあの赤い顔とか、ちょっと震えながら私の指につけてくれたときの汗ばんだ手とか。思い出すだけで私ね、本当に満たされた気分になるの。……そういうのって、たぶん多くの人は20代で経験するんだろうね。私達はなんだか遠回りして40歳過ぎちゃったけど、はじめての気持ちってのはあんまり変わらないものね。

真帆さんは私を羨ましがらせる名人です。今までそんなことほとんど思ったことが無かったのに、彼氏いいなあって思うようになってきました。私のもとにも王子様来るんでしょうか、と弱気なことを言ったら、王子様は来ないだろうなあと笑われました。でも、そこらへんにいる普通のおじさんやお兄さんがさ、気づいたら王子様になってるんだよ、ですって。

それからおよそ一ヶ月後、真帆さんは、彼氏さんとご来店されました。聞いてたとおり、牛みたいな王子様でした。聞いてたとおり地味な感じで、聞いてたとおり背も身体も大きいんだけど、印象に残りにくいのは確かかなあ。でも真帆さんと一緒だと王子様どころか王様みたいに見えます。真帆さん王妃だ。ちぇ、ホントにお似合いだなあ。

表に出て、証明写真機の説明をします。店員がそこまですることは本来無いんだけど、サービスサービス。本当は二人で撮るところ見たかっただけ。これホントに二人入っていいの!? とか言いながらきゃっきゃうふふ。美肌に撮らないと許さないぞー! と真帆さんが言ってます。そして、フラッシュ四回。終わったかな? と思ったら、二人とも真っ赤な顔して出てきました。

最後の一枚は二人が同時にほっぺにちゅーしようとしたので、唇同志でちゅーしてしまった、という中学生みたいな事故キス写真が、にゅーと機械から出てきました。

お二人とも、末永くばくはつしてください、と私は言いました。照れながら、帰り際真帆さんは私に耳打ちしました。ありがとう、五花のおかげで宝物できた、ですって。

いえいえ私こそよいものを見せてくださってありがとうございます。もう、絶対に見せられないような妄想炸裂した漫画が頭の中でどんどんページ数を増やしていますよ、と言ったら、それも送りなさいよ、と真帆さんに言われました。

まだ18歳になってないから、描くわけにいかないんです……と言ったらお二人とも仰天しておられました。

あれ? そういえば年齢言ってなかった? 私。

Sweet Around Fourty

「ね、今度、女装してっていい?」

という一言のためにこんなに気力を振り絞ることになるとは。実際のところ私の女装写真など嫌になるほど見ているだろう相手なので、そんなこと断りもなく普通にスカート履いて化粧して会えばいいじゃないか、と思わないでもない。

でも、やはり、透けて見えてしまうのだ。どうしたって、女装の、向こう側が。

*

もう43歳になったことの実感は、老眼が最初だった。髪に混ざる白髪は、あるにはあるがまだ気にするほどでもない。シワやシミもそりゃあるし、肌のハリも衰えたなとは思うけれど、具体的にこりゃ困ったなと思ったのは、小さい文字が見えないことだ。老眼鏡をかけるほどではない。が、近眼のメガネを外して見たらよく見えたという経験の最初はさすがに、ああ、これが老眼というやつか、と落ち込んだ。とはいえ。仕方が無いではないか。生きていれば新陳代謝を繰り返し、少しずつ衰えていく。平均寿命からすれば半ばを過ぎたぐらいだ。今まで過ごしてきた時間と同じだけまだ残っていると考えると先は長い気がする。

子供はない。そもそも結婚もしていない。気軽と言えば気軽だが、まだ両親は健在で私の結婚を諦めていない。将来一人になってしまうことを心配しているようだ。その頃には世の中に独身老人は多いだろうけどね。どうなるんだろうね。

学生時代の友人は大半が結婚したが、まだ数人未婚がいる。もうとっくに自分だけになってるだろうと思ってただけにちょっと意外ではあった。

その中の一人、藤原幸人と再開したのは、ネットが切っ掛けだった。

あのfacebookというやつは勝手に電話帳を探り、勝手に知り合いを探してくるらしい。名前で検索しても正しい人を引っ張ってこられないくせに周辺情報から探してくるとは密偵のようだ。

最初からfacebookには女で登録した。名前も女装時に使っている望月真帆にした。苗字は本名だ。写真も自画撮りのキメ顔で、まあ10枚撮れば一枚くらいはまあまあ可愛く見えるやつが撮れる。上目遣いにしているのは二重あごが目立たぬように、というのと目が大きく見えるという錯覚を利用するためだ。まるで女子高生のようなテクニックだが、むしろ私達女装者のほうがそうした知識は豊富かもしれない。ま、必死だからな。

だから、学生時代の友人は名前から私を探すことはできないはずだ。写真を見たってすぐに私だと気付かないだろう。

……と、思っていた関門をいともたやすくすり抜けたのが藤原だった。おそらく確認用に入力した携帯メールアドレスが一致したとかそんな理由だ。危ないなあ……その後すぐに携帯メールは検索に使われないように設定した。

「甲府にいた望月くんですか?」というメッセージが届いたのは、深夜、ネットを巡回中だった。スマホにプッシュ通知。facebookはそんなに積極的に交流に使っていないので珍しいなと思いつつ開いてみたら、懐かしい名前が見えた。

「あ、ええと、藤原くんだね? 久しぶりだね! ってか、あの、この写真と名前でよく私だってわかったね(笑)」

と返事をする。カッコワライは照れ隠しだ。女装歴20年もすると身バレなども経験してきている。案外すんなり受け入れられるものだと知ってはいる。それでもやはり緊張感はあるものだ。

「違ったらすぐにごめんなさいをするつもりだった(笑) ずいぶんキレイになって。久し振りだねー」

ぽん、という軽快な電子音に乗せてそんなメッセージが飛んでくる。穏やかな笑顔を思い出してくる。

学生時代と言っても、藤原とは中学時代からの友人なのである。中学高校を通じて二人で同じ文芸部に所属して小説だのアニメ感想文だのを書いてきた。今で言えばオタク仲間とでも言えるだろうか。当時はオタクは間違いなく蔑称だったので自称したくはなかったのだ。

藤原は身体が大きい。一方私は小柄なほうで、二人で並ぶとまるで漫才コンビのようなコントラストだった。お互いの家に行ったりという交流は不思議となかったけれど(市内でもちょっと家が離れていたのだ)、帰り道にちょっとした寄り道をしたりはよくしたものだ。

高校を出て大学は別々に進んだ。その辺りから交流は疎らになり、年に一度の年賀状ぐらいでのつながりになっていた。

facebookのしてやったりという顔が浮かぶようだが、懐かしく嬉しい再会だ。つもる話もある。今どこにいるの? 都内に出られる? 飲もうよー! とすぐに話はとんとんと決まっていく。

その週の金曜夜にはもう秋葉原の居酒屋でオフラインミーティングにまでこぎつけた。

「なあんだ、普段は女装じゃないの?」

というのが藤原の第一声だった。私は照れながら「や、うん、驚かせ過ぎちゃうかなって思って。」と言った。普段から髪は長めなのだけれど、一つに結んで、レディース服だけどだぼっとしたどっちつかずな格好で行った。髭は数年前にレーザー脱毛したのでノーメイクでもまあ女性に見えないこともない。

混んでいたのでカウンター席に並んで座って、ビールで乾杯。藤原はその大きな身体に似合った豪快な飲みっぷりだった。思わず私は、いいねと言ってしまった。「いいね!いただきました。」と言う藤原。どうやら彼もネットスラングなどそこそこ詳しいようだ。

今の仕事のこと、高校時代のこと、大学時代に所属した文芸部の話。話は尽きない。会って話すのは20年ぶりくらいだというのに、まったくそうしたブランクは感じない。不思議なものだ。

「いつから女装してんの?」と聞かれた。正直に答える。興味持ったのは小学校の頃からだけど、ちゃんとできるようになったのは一人暮らしはじめてから。だから高校出てすぐかな。おー? だったら女装ライフスタートしてから何度か会ってたってこと? 見抜けなかったなーなんて藤原は言う。そりゃ昔は今よりもガード固かった。バレたら相当にまずいことになるに違いないと全方向におびえていた。

けれど、女装という趣味は普段の格好も少し身ぎれいにするようになるし、立ち居振る舞いにも気を使うようになる。清潔感があればむしろ好意的に受け取ってもらえることさえあるのだ。時代もあるだろうし、先輩方が切り開いてきた啓蒙活動の成果というのもたぶんにあるのだろうね。

などと酔っ払っているのでちょっと饒舌だ。藤原はもちろんそうした話に否定的な態度をとらない。ああ、変わらずに安心できる友人だなあ……。

その日は終電近くまで飲み、またすぐに会おう! と約束をして別れた。お互い楽しかったのは事実であり、次の約束は本当に早くに果たされた。それからしばらく一ヶ月から二ヶ月程度を挟んで会うようになっていた。

藤原も独身だった。私のような女装趣味があるわけでなし。理学的な知識もあるような秀才だし、容姿も地味かもしれないが決して悪くない。出会いが無いんだよねー、などと笑っている。

私は、女装はしているが、恋愛対象は女だ。……と、頑なに信じていた。学生時代のクラスメイトの女性に抱いたあれは間違いなく恋愛感情だった。その後も気になる女性と付き合ったりして、普通にセックスもした。女装趣味が知られてもそれが原因で別れたりはしなかったが、結婚までは結びつかなかった。

今思えば私の中に迷いがあったのかもしれない。

私にとっての女装は確実に「性別違和」の現れだった。けれどホルモン治療や性転換手術に至らない理由は、自分でも正直なところよくわからない。何か切っ掛けがあったら変わっていたかもしれないなと思う。

ただ、その場合恋愛対象が女性というのはどうなんだろうな、なんてぼんやり考えていたのだが、もしかしたら、単に自分の中の女がちゃんと目覚めていなかっただけだったのかもしれない。

つまり。

私は藤原に男を見出し、そして、間違いなく惹かれていたのだ。

一人の夜、丁寧に化粧をし普段外には着て行かないようなドレスを身にまとう。このドレス姿で藤原に抱かれる妄想をする。衣擦れの音が耳に刺さる。自分の手のひらの温度ではなく、違う温度。大きな手。低い声。不器用な指先。痛いほど強く吸われる乳頭。体中につけられるキスマーク。叩いてくれてもいいのに。乱暴にしてくれてもいいのに。絶対にそんなことしないだろうけれど、そんな暴君であったとしてもきっと許してしまう。……いや、自分の中のM性はもしかしたらそうありたいと求めているのかもしれない。肉体を傷つけられるのは誰にされてもいいわけではない。彼じゃなくてはダメだ。彼でなくては。

果てた後に、彼でなくては、というのはもう完全に戻れないところに来てる証拠だなと苦笑いする。いつの間にか一緒に飲んだという単なる記憶が、甘い思い出にすり替わっていく。過去にさかのぼって妄想の分岐点にif文を挟み込む。あのとき、キスをせがんでいたらどうなっていたか。好きだって言っちゃったらどうなっていたか。

どうも自分の判断は甘いと思う。そんなに都合よくなるわけがない。向こうにも選ぶ権利はあるのだ。友人であるということと恋人であるということのあいだには大きな隔たりがある。男同士であるということや43歳に至るまでさほどの恋愛経験も無いということ、それは隔たりを大きくしこそすれ簡単に飛び越えられるようなものではない。

難儀な恋愛をはじめてしまった。いい年をして友人を無くしたくなどない。しかし先に進みたいとも思う。

あまりにも妄想が甘美過ぎるのかもしれない。

そして言ってしまったのだ。「ね、今度、女装してっていい?」の一言を。藤原は何一つ普段と変わることなく、お、いいよ、生で見られるの楽しみだな、と屈託なく笑う。

ここまでは想像したとおりだ。そして、実際に私の女装を見て、目を細めてくれるその穏やかな顔までありありと予想がつく。そしてそれはあまりにも……優しくて胸が痛む。

気合が入りすぎた女装は失敗につながる。いつもならなんてことのないアイラインが震える。差し水のように油断した部分を意図的に作ろうとする。それが43歳なりのバッファだ。下着は慣れたものにする。ちょっとくたびれたブラジャーとショーツ。ことさらに扇情的な下着なんて、写真に残す時だけで充分だ。少し出っ張ったお腹を隠すためにも、毛あれの目立つ足をカバーするためにも、黒いストッキングを履いた。

ゆったり目のブラウスに合わせたスカートを履く。靴もヒールは高くないものを選ぶ。男は女ほどに足が柔らかくなく、甲が高い。ヒールは身長を目立たせるが、それ以上に歩く姿を醜くしかねない。

デートらしい気合いと気張り過ぎないバランスがそれなりに絶妙かな、と自画自賛する。何枚か自画撮りをする。カメラアプリの性能がよいので、肌の難を隠して実物より綺麗に撮れる。この写真は可愛く撮れたが、現物はニ割減ぐらいに思っておいたほうがいい。

待ち合わせは秋葉原駅だった。金曜の夜。私は比較的時間が自由にできる仕事なので、早めに仕上げて、こうして準備をしてきたが、藤原は会社帰りだ。

バッグからスマホを出して時間を確認していたところに、声がかかった。「おまたせ。見違えたね。可愛いねー。」

……どうしてこんなことをすんなり言える男がモテないのだ。今のは殺し文句だろう。必殺技か。私は藤原の顔を見上げながら、もう泣きそうになっていた。かろうじて言う、ありがとう。

頬が上気する。どこからどう見たって恋する女だろう。たとえリードされて男だとバレたところで、それは恋する女装男に変わるだけだ。

いつもより声を少しだけ絞る。太くて大きな声を出さなければ外見に印象は左右され、声でバレることはあまりない。ましてや中年に差し掛かったおじさんおばさんが仲良く歩いて仲良く食事をしていたところで、それを気にかける人など多くはない。「今日は少しいい店行くかな。」と藤原が含み笑いをしながら言う。女装男と一緒だというのに、それを楽しんでくれているように思う。だったら……、だったら私、全力で乗っかっていいかな?

頭の中で吉田美和が「ちょっと何よこれ楽しいじゃない」と歌い出す。もちろん「ちょっとこういうの嬉しいじゃない」と続く。まるで10代か20代の若者みたいにはしゃぎたくなる。なんだかよくわからないもので胸がぐいぐい満たされていくのがわかる。それでも頭の奥で、私自身が「飲み過ぎるな」「はしゃぎすぎて男を出し過ぎるな」と警戒する。そこが40代のいいところなんだろう。

押し入れから見つけ出したと言って、藤原は古びた同人誌を取り出す。もしかして、それ、私達の部誌? そう! なつかしー! え、私何描いてるの? わー、そうか、パトレイバーとか始まった頃だね。藤原くんやっぱ車とかバイク当時からうまいねー。真帆くんはこの時から女装っ子とか描いてるじゃん。ぶれないよね、お互い、あはははは。

あ、そうだ、風のうわさ。この時の3年生の部長さ、1年生のこの子と結婚したって。!? マジ!? 知らないよー!

はー、私達の知らないところで、あの部活でも愛が育まれてたんだねー、ひゃひゃひゃ。やー、その当時は全然だったらしくてさ、社会人になってから再会したんだとかなんとか。へー! そうなんだ!

お酒のせいだろうか。うっかり私は言ってしまったのだ。「私達と一緒だね。」

実際のところ、深い意味があったわけではない、単に「社会人になってから再会した」という部分に掛けたつもりだっただけだ。けれど、藤原は一瞬笑いを止めた。

あ……私、やっちゃったかな。冷たい汗が出たのがわかった。言い訳しよう。なんか上手に、ってか正直にそうじゃないって言えばいいのかな。あ、でも、そうじゃないって失礼かな。

藤原は別に怒ったふうでも動揺したふうでもなく、私の様子に気づいた風でもなく言った。「俺らは……結婚は……無理なんじゃないかなあ。」

これは、ジョークなんだろうか。愛を育む、ってところを否定しないのは自明だからだろうか。少し混乱する。

「そう、だよね。私、戸籍男のままだし、身体いじるつもりないから、このまま変わらないだろうしね。」

などと、余計なことを付け加えているかもしれないと思いつつ、拾い上げて会話を続けてしまう。

「養子縁組するとか聞いたことあるよ。」と藤原は言う。それは一般知識だな。ごく普通のよくある話だよな。

「そうだねー」と、気が抜けたような返事をした。これでこの会話は終わりだろう。少しホッとした。

と、思ったのに。

「一緒に生きていけるパートナーと出会えるのは、それだけで羨ましいよ。」と、藤原は言った。

43歳。独身。親も年老いて、先のことを考えなくてはならない。いずれこのままでは一人になる。そういうことを考えたことが無いはずはない。20代の頃は、30歳までお互い独身だったら結婚しようね! なんて言い合える女友達だっていたのに。いつの間にか彼女達は自分を置いて結婚してしまった。

私はこんな風体だから考えたことは無いけれど、結婚相談所とかそういう具体的な行動にだって出られたはずなのに。

少し気持ちが落ち着いてきた私は、蒸し返すようなことを口にする。「私が本当の女だったら、私達結婚したりしてたかな?」 うん。我ながらすごいこと言った。このタイミングで、それ言うか。お酒怖いな。

藤原は一瞬間を置いてから、「あー」と言った。極めて曖昧な、どうとでもとれる言い方で「あー、あーねえー」と返事をした。失敗しちゃったかな、やっぱりここでそれ言うべきじゃなかったな、と二度目の反省をし始めたとき、藤原は小さな声でぼそぼそと言った。

「や、えー、別に本当の女じゃなくてもさ。結婚じゃなくてもさあ。ってか、まだそういう話するのは早過ぎるってかさあ。」私達は根がオタクなのだ。ひとりごとのようにぼそぼそと言ってしまうことは、まあ、よくあるのだ。

でも、でも、どういうことなんだろう。つい、私は、藤原が愛おしくなって甘えてしまう。

「ねえ、今日の私、可愛い?」

バッと顔を私に向けて、目を見開いて藤原は言った。「可愛いとも!」

私の身体から硬さが抜けていく。ふにゃふにゃになりそう。「ありがとう、嬉しい。ちょう嬉しい。」

「めっちゃ可愛いってかさ、俺らお似合いじゃねえ!?」

藤原の顔が真っ赤だった。こんなに赤い顔の人いないよ、って笑いたくなるぐらい真っ赤だった。緊張したんだろう。すごく勇気を持って言ったんだろう。なんと可愛い人なんだろう。

私は涙が出てきた。それを見て藤原は焦る。ひどいことを言って泣かしたと焦ったのかもしれない。そうじゃないよと手で制しながら、私は言った。「ありがとう、……大好き。」

*

子供の頃に想像した40代の恋は、もっとスマートで、もっと秘めやかで、もっと湿っていた。けれど、経験が浅いままに40代になれば、結局10代や20代と変わらない、幼稚でボキャブラリの少ない会話で、暴投のキャッチボールをしながら探りあうのだ。

あとからあの流れはぐだぐだでカッコ悪かったなーって思うけど、別にそんなことどうでもいい。伝えたかった思いは伝わったし、向こうからも伝えてもらった。これ以上何を求めるのか。

……いや、求めた。求めたけど。その後、たくさん。キスや愛撫やセックスや。それこそ何も無かった20代30代のブランクを埋めるように。でも、ほら、老眼になりつつあるし、体力だって衰えてきてるから、そう一晩中というわけにも……。

難しくて面倒なことを考えなくてはならないことはわかっている。しかも待ったなしだ。

でも、せめてもう少し、この胸の中がとろけるような思いが消えないうちは。

甘く。

この女装コミックがすごかったね!2017年版 追補と雑記

明けましておめでとうございます!
って、もうお正月気分も終わりかしら……。

珍しく前回の投稿からあまり間をあけずにエントリを起こしたのは、前回の記事の追補があるからです。というか、記事投稿直後から載せ忘れた本をいくつか見つけてしまって……。
というわけで、3冊の追加です。

◆胡原おみ 「しろねこ荘のタカコ姐さん1」 少年画報社ねこぱんちコミックス

オネエのタカコさんの周りに集まるしろねこ荘の面々の群像劇。中心にいるのはタカコさんのように見えて、実はその飼い猫の「いちご」なのは、掲載誌がねこまんが誌だからなのね。
帯にしつこいほど「オネエ」って書いてたのでちょっとどういう扱いなのかなあと気になったんだけど、作品はそのあたりマイルドだしまとまっててよい感じでした。タカコさんが常に女装しているけれど、6話目にゴスロリ女装の少年が登場します。

◆山口つばさ 「ブルーピリオド1」 講談社アフタヌーンKC

美術をテーマにした熱い物語。美術の先生が実に良い感じ。サンプルで1話を読んだとき、あ、この先生好きだな、と買うことを決めました。
ユカちゃんと呼ばれる女装っ子が登場します。スカート履いてるけど学ランだったり。まだ来歴は全然語られてないけれど、主人公と同じ予備校通ってるし、これからキーになっていくのかな。

◆谷村まりか(原作:ちー) 「ミスキャスト!1」  竹書房

女の子の声優としてデビューした男の子。今のところ良い感じの声優業界モノって感じだけど、これから「人気が出た頃に男とバレる」とかそういうイベントが待っているのかしら。そういうのはもういいから、って思っちゃうなあ。そのへんさらっと流してライバルとの切磋琢磨やチート的な能力でぐいぐい登っていくシンデレラストーリーが読みたいです。

……他にもいくつか見落としがあるかもしれません。また思い出したら追加します。

ところで、せっかくエントリを起こしたので、トランス的話題を追加で。

◆密かにブログなどを追いかけていた、山梨のご当地アイドル「FUJI SAKURA塾」。こちらにスカート履いて女の子としても前面に出ていた男の子がいます。
http://fujisakurajyuku.com/profile/
一番上の、ななむくんですね。ただ、成長期を迎えてもう女装は厳しいかな、といった感じ。過去の写真などを見るとホント可愛くて完全に女の子の中に馴染んでる感じがとても良かったのですが。
本人の性自認は普通に男性のようですし、残念だけど見送ってあげるのがよいのかなと思います。秋月涼くんのように。
公式ブログは昨年の9月で更新止まってるのがちょっと気になります。ってか、メンバーそれぞれが記事書くならカテゴリわけとかしてくれよー。運営が素人っぽいなーって思ってしまうわ。

◆ご当地といえば、千葉のご当地ヒーロー「房州電撃!ライデンマル」に気になる子がいます。
http://raidenmaru.com/boshu01.php
こちらの「アサガオ」はスカート履いてて女子キャラですが、設定は男の子が変身しているんですね。実際のスーツアクターは女の子なのが若干残念ですが(笑) でも可愛いし、こういう設定が普通に馴染んでるのはおもしろいなーって思います。

◆なんとなく少年女装の話題が続いたので、もう一つ。
https://www.instagram.com/queenlactatia/?hl=ja
こちらのインスタアカウントは、世界最年少と言われたドラァグクィーンの少年のもの。現時点では上のほうにスケボーやってるいかにも少年らしい画像がありますが、下に行きますと……。
8歳のときからキャリアをスタートさせていますので、ものすごく顔も変わっていくのだろうけれど、眼力のあるシャープな感じの大人の女っぽい写真もあるし、いいわ……。

◆NHKにて
「女子的生活」なるドラマが放送されています。
http://www.nhk.or.jp/drama10/joshiteki/
実家にいたときに一話だけちょっと見ましたが、トランス女子を演じる俳優さんは実にいい感じだなーと思いましたわ。最初の予告のとき、なんだ女性が演じるのかって思ったくらいには。
お話としてはちゃんと追いかけていないので、今後どうなるやら。一応録画セットはしてあるので、見られるかもですが、数ヶ月後になるなー。

◆とまあ
変わらずにそういうトランスな話題をちまちま見てはおります。たまに書くと脳内まとまっていいですね。

この女装コミックがすごかったね!2017年版

年に一度、これだけを更新するブログになりつつありますが、今年はもう一つ更新してたぞ、やったね! みたいな。
すみません。
それでもとりあえずこれだけは忘れずにやろう、女装コミック総ざらいです。

男の娘がもう一般的になってしまい、特別感も無くなったようで、各種作品にさらりと普通に出てきます。そしてそれに対して特段心躍ることもなくなってきたかもしれない、と思うことがあります。私としては若干の危機ではありますが、それはそれで良いことなのかもしれません。
Twitterなどでも女装っ子はクラスタを形成するぐらいに隆盛ですね。みんな男子のときの写真も出せるあたり、なるほど性自認は男子のままなのだなー。健康的でよいことだと思いますよ。私はちょっとうらやましい。

さて、まず一発目は、去年ご紹介できなかった作品から。奥付日付が2016年12月31日ですが。

◆ディビ 「その指先でころがして」 二次元ドリームコミックス

一冊を通して圧倒的なテキスト量と、書き文字量。そしてふと気づくと、あれ、女装は無いな……? という最重要事項(笑) でもいいや。きっとお好きだと思うので。
pixivなどで公開されているイラストやマンガには女装モノもたっぷりあるので、ぜひお楽しみあれ。天才だと思う。
https://www.pixiv.net/member.php?id=156236

◆クリスタルな洋介 「おとこのこ妻」 小学館サンデーうぇぶり

ユキの圧倒的な可愛さだけでほぼ成り立ってる作品。周りの人々が男の娘であるということ以上におかしいので、常識人に見えるわ。
「男であること」のアウティングがギャグになってることは、私が考える女装や男の娘の性自認的な部分を吹き飛ばします。私がユキの立場だったら、と考えてしまうとつらくなったりするので、そういうあり得ないことは考えないほうがいいな。うん。

◆ふみふみこ 「女装男子とメンヘラおじさん」 リブレ

「田辺さん」の存在がどれだけこの作品や、この作品を読んだ我々に救いを与えてくれただろう。単行本の帯にある秀良子さんのコメントが実に的確。
重いなあと思いつつも何度も読み返してしまいます。

◆鮭夫 「ヒトミ先生の保健室」8巻 RYU COMICS

全編林間学校編で、相変わらずのお騒がせキャラとしての埴生くん。いいなあ、おっぱい。

◆野々村朔 「おとなりコンプレックス」2巻 リブレ

男女逆転っぽい二人のもどかしめ恋模様。2巻。すばらしく可愛い女装だけど、少なめでなおかつこれから減っていきそうな感じ。女装がメインなのではなく恋がメインだとそうなるわね……。

◆作楽ロク 「特殊性癖Sの葛藤」1巻 一迅社

隠れブラ男子、裸族男子、コスプレ男子が入り乱れるギャグ作品。なんというか一般人であるタカくんの聖人っぷりが実に際立ちます。おかん男子か。

◆須野ゆき子 「うちの旦那はお嫁さん」 一迅社

女装など女性的なものが好きで、でも恋愛の対象は女性という人は決して珍しいことではありません。ひとつの回答かな、と思ったりもしますが、どことなくチグハグな部分もあって、でも、リアルってそんなもんだよね。絵とマッチしたほのぼのだよ。

◆山本アタル 「偽恋ボーイフレンド Lovely」 リブレ

今年はリブレの当たり年かしら。女装が超絶可愛いシリーズの2冊めが出ました。ただ、恋愛模様として見ると、だいぶこう、もどかしいというか、しっかりせい、と言いたくなるというか(笑)

◆輪子湖わこ 「ドルオタの僕ですが真剣にアイドル目指します!」 竹書房Qpa

個人的に今年のヒットです。タイトルまんま。アイドルオタクで振り付けもマスターして歌もうまいってチートがどんどん本物のアイドルとして成功していくって、気持ちいいですw
ただし、攻め。何がとは言いませんが、攻め。まあ、これで受け、だと、生々しくなっちゃうかもしれないしな。うん。

◆木々 「ラヴ・ミー・スウィート」2巻 幻冬舎バーズコミックスルチルコレクション

私の大好きな作品の新装開店2冊目。BLレーベルに移行したので、さて、と思っていたら、本丸ナオが……一気に進展。夜の蝶バージョンはめちゃめちゃ可愛いし、そう来たか、という展開に。ルームシェアという根幹がついに解体されてさて今後どうなることやら。

◆ブルちょめ 「スカートに罠」 講談社ハニーミルクコミックス

中性的男子(女性の快楽に憧れている)と不器用な純情男子によるBL。絵柄はちょっと懐かしいなって思ったんだけど(昔のヤングマガジン的な)、こういう関係はなかなかに今時。女装シーンはそこそこあるけど、スカートだけだったり、あんまり女装的じゃないというか。


これ以外、同人誌にいくつかの収穫がありました。前エントリで紹介した、「男二人で」の2冊めが出たり。正直、あれが私の中で大きな位置を占めてて、今年の一番はあれだったかな……とか思っていたりします。
pixivなどでも最新作が読めるので、ぜひ。
https://www.pixiv.net/member.php?id=55506

書店で、あ、これ女装モノだなって思っても買わなかった本がいくつかありました。数年前からそんな感じだったりしますが、結局は女装をテーマにしてなおかつ自分の好みの本を探している、というだけでございます。まだ見ぬステキ作品を期待していることは20年前から変わりません(お気楽ミュージアムは、来年20周年です!)。

2018年もよい女装っ子作品に出会えますように。それでは、みなさま、よいお年をお迎えください!

森越一「男二人で」

良いと思った作品は、良い! と声を出しておいたほうがなにかと良いことがある、と信じているので、こんな辺境のブログであっても、地味に書き続けようと思います。

ニコニコ静画やpixiv、twitterなどで読めます、森越一「男二人で」
http://seiga.nicovideo.jp/comic/22239
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=55657144

初回がラフ画だけだったので、内容はとても良いのにもったいないなーと思ったのですが、それ以降は仕上げもなされるようになって、読みやすくなりました。
読みやすくなったことと並行して、ヒロイン(……?)の可愛さも増しております。

タイトルは「男二人で」ですが、実際には片方が女装している(あからさまな女装ファッションではないけれど、可愛く描かれている)ので、カップルに見えます。それを双方がほのかに(大事)、淡く(超大事)、確実に(おっ)意識しているというところが、もう最高に良いのです。
こういうのでいいんだよ、こういうので、と私の中のゴロちゃんが言うんですが、いやむしろ、こういうの「が」いいんです。
薄氷というほどでもなく、春先の榛名湖ぐらいの氷の厚さの上でわちゃわちゃと進む二人の関係。すぐに壊れたりはしないけれど、時間が経つにつれて危険度は増すかもしれないし、大きな出来事があれば割れてしまう。それをにこにこ(にやにや?)と眺める対岸の私たち、みたいな構図。
たまにはもっとガッツリした女装ファッションも見たいなー。淡い感じが壊れない程度に。

良い作品です。まだこれからの新作も読めそうです。おすすめ。

この女装コミックがすごかったね!2016年版

コミケ開催中に更新しても誰も読んでくれないぞーと我ながら思うんですが、遅くなってしまったので仕方なし。
というわけで、毎年恒例2016年に発行された女装シーンのある漫画作品まとめです。
ただ、先にお詫びしておかないといけないのですが、18禁漫画が今回、ありません。
理由は単純で、私が一冊もそうした18禁漫画を読まなかったからです。あ、いいな、ほしいなと思った本は何冊かありましたが、結果的に入手に至っていません。ディビさんの本はこれから買おうと思っていますが……。
18禁では無い作品についても、薄味かもしれません。興味が薄れたわけではなく、さすがに女装シーンワンシーンのためだけにお金出せないな……と思うようになったというのが一番大きいかも。全体のテーマになっていれば買ってるつもりですが。義務というわけでもないので、一部スルーしちゃったり……。根がコレクタなので気になってつい買ってしまっていたのですが、さすがにどう見ても可愛くないだろうこれみたいなものとかは……、もういいよね……。

と、ネガティブな話題から始めてしまいましたが、意外なあの作家の作品から、安定したシリーズの続編まで。まずはごゆるりとお楽しみください。

◆木々 「ラヴ・ミー・スウィート」 幻冬舎コミックス バーズコミックス ルチルコレクション

8巻まで続いた「ラヴ・ミー・テンダー」から、関係性が一歩進んだ新シリーズ。長らくかかったなあと思うものの、このシリーズは、開始当初からずっと私のフェイバリットで有り続けているので、大変うれしいです。一応男の子同志の恋愛を描いてはいますが、女装っ子男装っ子などなど入り乱れての群像劇的要素が強いかな。私はもちろんナオ一押しで、ファッションを真似たいお年頃(ナオの親より年上だと思いますが)。

◆木尾士目 「げんしけん二代目」 20巻21巻 講談社アフタヌーンKC

「斑目ハーレム編」だと思っていたシリーズが、実はオタクの生き様を描いたガチの本編だった、という様相で幕を閉じました。いや、でも良かったおもしろかった。波戸ちゃんの美しさにずっと目を引かれていましたが、完結記念に読み返したら、いやあ、この子めんどくさい子ねえ……(笑)
私としては、まだまだこの子たちを見ていたい気分です。三代目はいつかあるんでしょうか。

◆鮭夫 「ヒトミ先生の保健室」 5巻6巻 徳間書店リュウコミックス

単眼美人保健医を中心に、人外がひしめくハイコンテクストビジュアルコミック。メタメタなお話も描ききる、高い画力と構成力で人気です。
5巻では根津くんとおっぱい系男子埴生くんと……プラスなにやら。6巻にもごにょごにょ(ネタバレになるの)。
単眼キャラ、増えているような気がします。最初はぎょっとしましたけれど、だんだん可愛く見えてきますわよ。

◆杉基イクラ 「ナナマルサンバツ」 12巻 角川書店カドカワコミックス・エース

アニメ化も決まった女装少年苑原明良くんが登場するシリーズは、高校生クイズスクエア編が大盛り上がり。や、明良くん、ほとんど出てきていないですけれど……。
あっ、13巻出ていますね!? すみません、13巻は未読ですので、明良くん大活躍……かもしれないし、そうじゃないかもしれません(が、本編的にはメインは別よね)。

◆木村紺 「巨娘」 3巻 講談社good!アフタヌーンKC

前巻からいったい何年待ちましたでしょうか(たぶん4年)。待望の3巻です。相変わらず自分の正義を貫くジョーさんが痛快です。美少女お兄さんが今回はさらわれて大ピンチに。しかし、そのさらわれた先でさせられた格好が……ああ、たまらん。あのコマだけ超拡大して壁に貼りたいくらいですわ。

◆柴田ヨクサル作 蒼木昌彦画 「プリマックス」 3巻以降 集英社ヤンジャンコミックス

「カワイイ」とは何だ!? を追求するハイテンションコミックスも順調に巻を重ねております。前から変な漫画でしたが、ますます変な漫画に。勢いで押されて、おもしろいんだけど、ちょっと疲れるわ。って、私もまだ全部は追いかけきれていません。え、何、マジアイドルなん??

◆吹屋フロ 「パンティトラップ」 集英社ヤンジャンコミックス

女の子のパンティが好きすぎて、自ら履くヤンキー高山くんと、それを知ってしまった品行方正に見えるけどその実……の生徒会長飯島くん。パンティだけじゃない女装も盛り沢山で、すごく可愛いってわけじゃないけど、なんかね、この作品、いいんですよ。通り一遍じゃないキャラ造形が響いてくると言うか。シソマニアの飯島くんの妹とか超いい子だし。おもしろいです。今年の収穫の一つかも。

◆えびさわまよ 「LILY」 1巻 小学館裏サンコミックス

「男の娘のメイドものか、正統派というか、王道だね」と思って手にしたんですが、その評価は間違っていました……。いや、絵は萌系らしく可愛いし、スタートは王道っぽかったんですが、絶妙に変な方向に。あざと可愛いシーンも多いのですが不思議な読後感。

◆高野雀 「13月のゆうれい」1巻 祥伝社 FC Swing

女と男と女装男子の三角関係。すっきりして可愛い絵柄で描かれる人間模様。ところどころでエグッて来ます。まだ続いているのでお話の結末は見えてきていませんけれど、女装男子に肩入れしてしまうのは仕方がないよね。可愛いです。

◆ハセガワケイコ 「女装で探偵ハジメました」 オークラ出版AQUA COMICS

お話のテーマだの整合性だのそういうことは一切無視して、ただひたすらにシチュエーションを楽しむタイプの作品です。私はプライベートの私服女装が一番好きだわ……。

◆介錯 「2×2(ツーバイツー)」 集英社画楽コミックス

二組の双子が入り乱れての愛憎模様。女装もので「双子」って聞くと、安易な設定かなあとちょっとがっくり来るんですが、この作品は双子でしかできない関係性を、上手に物語の中枢においている印象。

◆真澄弥 「特捜前立腺 女装刑事ビンビン系」 マガジンマガジン ウォー!コミックス ピアスシリーズ

考えてはいけません。ただ笑うのです、可愛い女装を愛でるのです。それでいいのです……。すべてはタイトルからご想像の通りです。Amazonで「前立腺」で検索すると、真面目な医学書に混ざってこれが出るのは痛快です。

◆アンソロジー 「GUSH ペシェ VOL.44 特集女装男子」 海王社

BLリーグからの女装アンソロジー。ベースに男子同志の恋があった上での女装ですので、可愛いの可愛くないの入り乱れております。「オタサーの小嶋くん」「きみだけのリボン」「かわいいだけじゃガマンできない!」の三篇が私は大変お気に入りです。

◆アンソロジー 「オネエと私」 一迅社ゼロサムコミックス

「オネエ」の定義って難しいのよ……関係性や立ち位置などがバラバラですからね。性的指向だってまちまちだし。なので逆に、好きなように描いたらよいとも言えるわけで。そうした作品群の中で、やましろ梅太の「みつるとたつこ」は大収穫。こういうのでいいんだよ、こういうので! と私の中のゴロちゃんが言うほどに。あ、この作品は女装無いですけど。あるのは3作とちょっと、ぐらいかな。「うちの旦那はお嫁さん」は発展してWebなどで連載中ですね。

◆小坂俊史 「まどいのよそじ」 1巻 小学館ビッグコミックススペシャル

まさか四コマ王子小坂先生(無人駅好き仲間w)の作品を、ここで紹介する日が来るとは……。そのものずばり「女装趣味」というタイトルで収録された8ページ。いやもうさすがとしか言いようの無い愛とペーソス。女装する人の悲哀をなんでこんなにわかってらっしゃるのかしら、と思うほどに。よい作品です。四十路の女装もいいもんですよ?

◆さっちゃん 「性別がどうした!!」 一迅社ゼロサムコミックス

美少女少年(だけどヘテロな普通男子)に恋してしまった花山くんが巻き起こすハイテンションな日常。作品内に女装のシーンってほとんど無いんですが、各話の扉が花山くんの妄想でできてるので毎回可愛い女装です。

◆山田さん 「七海くんのスカートの中」 道玄坂書房ミケプラスコミックス

実際には、奥付の日付が2017年になっていますので対象外なんですが、来年まで覚えていられないような気がするのと(おい)、もう入手できるのでここに。
可愛い女装っ子とヒゲ男子の恋愛模様。これ、なかなかいいですよ。しっかり真面目に「恋」と「プロセス」を描いてて、コメディなんだけど、応援したくなる恋だなと思うのです。……七海×槌田なのかあ、とはちょっと思いましたが。

◆玉越博幸 「有栖寺理夢は変態である」 日本文芸社

……いや、もうどうしちゃったの……? としか。HENTAIをテーマにお嬢様と女装男子が織りなす物語、という導入部分はそんなに悪くなかったんですが、このエンディングにはホント驚いた。もはや奇書と呼んでもいいのではないかしら、と思うほどに。

◆柳田史太 「トモちゃんは女の子」 3巻 星海社コミックス

番外編。
男勝りの女の子が、恋のために努力したりしなかったりする、大人気コメディ4コマシリーズですが、そのトモちゃんが悪友二人によって「女装」させられるシーンがあります。これがね……なんともね……いいんですよ。著者が「これが……ぼく……?」の王道を知った上でやってるなあ、というのが気持ちよくて。


そんなわけでお送りいたしました2016年版。一冊でもお気に入りが見つかってくれたら嬉しいな。
なんというか、この年一更新のテーマも随分積み重ねてきました。継続は力になっているかな。

それでは、また2017年版で!(って約束しちゃっていいのかな。いいよね、どうせやるわ(笑

クリスタルな洋介「おとこのこ妻」

もう自分の生きる方向はこうと決めたのだ。迷わないのだ。これでいいのだ。
そう思っていたって、惑うのです。まどいのよそじ。いくらでも惑う。
私より年上のKABAちゃんがキレイになっていくのを見ながら、心平穏でいられるはずもない。複雑な乙女心。よそじだけど。

サンデーうぇぶりで始まった、クリスタルな洋介著「おとこのこ妻」も毎回楽しく読みつつも、複雑な感情を呼び起こされる作品です。
ユキとコウのラブラブバカップル。一つだけ違うのは、奥様はおとこのこだったのです。というあらすじ以上のものは何もありません。毎度のラブラブ具合を楽しむタイプの作品であるはずです。しかし。

事あるごとに、旦那のコウは、奥様のユキの性別を「アウティング」しちゃうんですよね。黙ってたら絶対にわからないのに「男です」って。それを軸にしないと作品として成り立たないとはいえ、その都度私の心が少し痛みます。ユキがいいんならいいんだけどさあ。

ユキは可愛らしい女子の容姿をしていて女子のファッションをした上で、男性を愛しているわけで、ヘテロなMtFTGだと思うんです。
でも、スカートはいたまま男子トイレで立ってなさる。せめてそこは個室でありましょうぞ。スカート汚れますよ。
ぱんつもトランクスをご利用のようだし、自らを男子ですと告白することに照れはあっても抵抗はなさそう。

結局、性自認の話など始めると、十人十色百人百様ってオチにしかならないのですが、どうしたって似た子は「引き寄せて」捉えてしまいがちです。
ああ、私とは違うのだなぁ、なのに、ラブラブで羨ましいなあという結局そこかいというオチで。

たまには性自認の話も少し

このブログは、私にとっての、トランスな日常の出来事を綴るつもりで開設したんだっけなあ、と振り返って思います。
ちょうどWebサイトの日記をblogに移すだの、mixiに日記を書くだのという狭間に生まれたブログです。どう使っていいかを迷った時期もあります。

結局、Webサイトでの日記は、1999年から2005年の3月まで毎日書き、停止。
mixiでは、2005年の10月20日から今日に至るまで、一日も休まず日記を書いています。
2005年の3月から10月までの間はmixiだったりこのブログだったりに少々の休みを挟みつつ書いているみたい。私にとっては、書かない日があったという、その期間がむしろイレギュラーですね。

そんな日記に何を書いているかと言えば、仕事に関することや趣味に関すること。時事ネタも少しだけ。
読者がいることは想定しつつも、あんまり推敲に時間をかけない気楽な文章です。
たまには自撮りも載せたりします。コスプレもするよ。他の趣味でつながった人からしたら、まーフリーダムな感じに映るだろうなあ。いつもありがとうございます。

私が「女装」という文化、行為が好きで、「人の女装」に関する資料をたくさん集めたり、女装を描いた漫画や小説が好きで好きで集めていたりすることは、このブログ読者様ならご承知の通り。
ですが、自分がやってる、女子のファッションについては、女装という言葉で表すことに抵抗があります。
……なんとわがままな! 
こういうアンビバレンツさが、脳内の性自認の歪みなのかなあと思うのです。

私は、世間で言うところの「ガルパンおじさん」です。ガルパンはいいぞ……。
でもね、いくらネタでも自称で「おじさん」を使うことに、極めて強い抵抗があります。おばさんだったら喜んで自称するので年齢的な話では無く(お兄さんでも嫌です)。
この辺りも、自認の表出かなあと思います。

ま、40数年も生きて来たら色々と自分のこともわかりかけて来ますわね。わかったからと言って何か「治療」をしたりするかといえば、しませんけれど。私程度の歪みだったら、髪や衣服でかなり緩和されますもの。
逆に言えばこれ以上深化しないので、ノンホルノンオペのままかな。自前の髪がどこまでもってくれるかが目下の関心事項です。

Facebookにおける過去の友人とのつながりの話もしようと思ったけれど、それはまた今度。こうやってまた時々ここにもつぶやきに来ます。

«この女装コミックがすごかったね!2015年版